産業廃棄物収集運搬業の許可の要件
@ 講習会の受講が修了していること
申請者は、産業廃棄物の収集運搬業を的確に行うための知識と能力が必要とされるため、 法人の場合は常勤の取締役、個人の場合は代表者が、財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施する産業廃棄物収集運搬過程(新規)の講習会を修了することが必要となります。
この講習会は、大阪府・兵庫県の他京都や和歌山などいずれの会場で受講しても構いません。
講習会は2日間にわたり実施され、修了考査(試験)に合格すると修了証が3〜4週間後に発行され、それが後の許可申請時の必要書類となります。
なお、修了証の有効期間は5年間になりますので、修了証の日付から5年以内に許可申請をする必要があります。
A 欠格事由に該当しないこと
成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
禁固以上の刑を受け、5年を経過していない者
廃棄物処理法などの法令に違反し、罰金以上の刑の処罰を受け、5年を経過しない者
暴力団員の構成員である者 など
法人の場合は役員や株主、個人の場合は事業主が上記に該当する場合は許可を受けることができません。 この欠格事由の要件がクリアできなければ許可はおりませんので、十分に確認しましょう。
※ 実際審査では、警察本部・地方検察庁・本籍地市区長村など関係行政庁への照会も行います。
B 経理的基礎の要件について
申請者は産業廃棄物の収集運搬業を的確にかつ継続して行うに足りる経理的基礎を有することが必要とされます。
法人の場合は直近3年間分の財務諸表・法人税の納税証明書、個人の場合は所得税の納税証明書・申請書の資産に関する調書の記載内容などで確認されます。
※ 開業して3年が経過していない場合などは、必ず事前に申請先に確認してください。
特に大阪での経理的基礎の要件は
- 利益が計上できていること
- 債務超過の状態でないこと
とされており、具体的には、自己資本比率や直近3年分の当期純利益及び経常利益の金額、資産と負債の比較、税金の納付状況などを総合的に見て判断されます。
債務超過の状態でないこと
直前の貸借対照表において「資本合計<負債合計」になっている状態をいいます。
利益が計上できていること
損益計算書の「当期利益」が、3年平均(設立3年未満の法人にあってはその期間の平均)が黒字であること。または、直前期の「当期利益」が黒字であることをいいます。
法人の財務内容によっては不許可となる場合と、追加資料(経理的基礎に関する申立書、消費税・府県民税に未納滞納がないことの証明書など)を提出することで経理的基礎の要件をクリアできる場合があります。
上記基準にあてはまらない場合は事前に大阪府の担当窓口に必ず確認しておきましょう。
C 運搬施設の要件について
産業廃棄物が飛散・流出し悪臭が漏れるおそれのない運搬車・運搬容器その他運搬施設を有していることが必要となります。
つまり、トラック(ダンプ、塵芥車、キャブオーバなど)や駐車場、取り扱う産業廃棄物を運ぶに適した容器(ドラム缶、鉄製コンテナなど)のことです。
また、継続的に運搬施設等の使用権限を有している必要があります。
例えば、他の事業者が既に登録している車両などがある場合は二重に登録ができないため、事前に調整しておく必要がありますので注意してください。
自動車車検証に積載物の制限がある場合がありますので、事前に自動車車検証の内容は必ず確認しておきましょう。
運搬車両の使用権限は、自動車車検証の「使用者」が申請者と同一である必要があります。 使用者が申請者と異なる場合は、リース契約書などにより使用権限を明らかにする必要があります。また、有効期限にも注意しましょう。
運搬車両の保管場所も明確にしておきましょう。
※大阪府の場合、ほとんどの地域で「大阪府流入車規制」という条例の対象となっており、排ガス基準に適合した自動車(車種規制適合車)を使用すること、
適合車等ステッカー(青色のシール)の表示などが義務付けられています。
これは対策地域で積みおろしをせずに通過するだけの場合は対象外ですが、大阪府内で許可を取得する場合にはほとんどの地域が対象となります。車検証にその旨が記載されているかなどを必ず確認してください。
D 事業計画の要件
産業廃棄物収集運搬業の事業計画は、その内容が適法であり、業務量に応じた施設や人員などの業務遂行体制を整えていることが必要となります。
一人親方や一人経営の法人の場合でも、要件を満たすかぎり事業開始は問題ありません。
なお、運搬時の運転手は、申請者又は申請者が雇用する従業員でなければ名義貸し等に該当し、法律違反となってしまいますので十分に注意しましょう。
事業計画を記載する提出書類には、「産業廃棄物の種類」「月の予定運搬量」「予定排出事業者の名称・所在地」「予定運搬先の名称・所在地」などを明確に記入します。
「処分先の許可証の写し」は添付書類のひとつとなりますが、特に兵庫ではこれから申請して取得しようとする品目と、処分先が許可を取得している処分可能な品目種類とを一致させておく必要がありますので、 事前に必ず確認してください。
上記のことをふまえ、いざ許可を取得してから改めて申請手数料を払って業種品目を追加しなければならない、といったことがないよう十分に計画することが肝心です。
なお、品目の追加をするための変更許可申請には、法定の申請手数料71,000円が必要になります。